起立性低血圧症とめまい



北野クリニック(内科)
北野英基

この起立性低血圧症は表3に示した種々の病態で起こる。表2に示した内分泌性めまいの原因は主に糖の問題である。糖尿病の治療中に低血糖発作を起こし めまいを訴える事がある。低血糖の治療には50%のブドウ糖液を適量静脈注射する。この心臓から脳に行っている酸素やエネルギー源となる砂糖が減少した状態がdizzinessである。患者がこの状態を訴える場合にいろいろな表現をする。しかし診察する医師側がその各々の定義をしっかり理解していれば患者が「頭から血が引いたような感じ」と訴えても 「気が遠くなる」と訴えても 「眼のまえが真っ暗になる」と訴えても 「ああ失神一歩手前の状態だな」と医師は正確な診断ができるのである。狭義のめまいには血管迷走神経反射異常とか頸動脈洞過敏症候群等もある。 すなわち 視診で顔色の悪い患者がめまいを訴えている場合は応急処置を必要とする病態が多く その治療が一刻を争うような内科の病気が多い。これら病気の際のめまいは危険なめまいである。


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