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200歳へのテクノロジー (4)
 
テロメアをのばして”不死化細胞”がつくられた

 ”長寿薬”で細胞内の傷を少なく保ち,老化のスピードを遅くできたとしても,細胞が死んでいくのはさけられない。一部の細胞が死んでも,細胞分裂によってその分を補うことができればいいが,やっかいなことに細胞の分裂回数には限界がある。

 たとえば,血管の内皮細胞はたえず血流にさらされているので傷つきやすい。細胞が若いうちは,傷ついた一部の細胞が死んでも,まわりの細胞が分裂してそのすき間を埋めてくれる。しかし,分裂限界に達するほど老いた細胞では,すき間を完全に埋められない。こういった場所でおきた炎症が,動脈硬化の原因になると考えられている。

 分裂回数の限界は,染色体末端のテロメアの長さで決まる。テロメアは分裂のたびに少しずつ短くなっていくが,なんとこのテロメアをふたたびのばして,分裂寿命を延長する酵素が存在する。テロメラーゼである。
 テロメラーゼをつくる遺伝子は,ヒトのDNAの中にも存在する。しかし,生殖細胞や幹細胞などごく一部を除いてこの遺伝子は「オフ」になっているので,ヒトの細胞には分裂回数の限界ができてしまうのである。
 だがそれなら,テロメラーゼ遺伝子を外から細胞に入れてやれば,分裂寿命のない細胞ができるのではないか。

 産業技術総合研究所分子細胞工学研究部門総括研究員の三井洋司博士らは広島大学との共同研究で,テロメラーゼ遺伝子と,細胞増殖をうながすウイルス由来の遺伝子との2つを用いて,ヒトの血管内皮細胞の分裂限界をなくしてしまう”不死化”に成功した(個々の細胞は傷つくと死ぬので厳密な意味での不死ではない)。また,確率はきわめて低いが,どちらか一方の遺伝子だけでも不死化することがあるという。これらの細胞は,本来65回程度しか分裂できないはずなのに200回をこえても分裂をつづけたのだ。

 不死化細胞の医療応用への期待が高まる一方で,懸念の声もある。「テロメラーゼによって細胞ががん化し,正常組織をおびやかすほどに増殖してしまうのではないか」というものだ。がん細胞もテロメラーゼをつかって無限に増殖する能力を得ているからだ。三井博士は「確かにそういう指摘もありますが,テロメラーゼをもつだけでがん化することはありません。実際,私たちがつくったヒトの不死化細胞は,免疫機能をおさえたマウスに移植してもがん化しないことを確認しています」と説明する。


細胞分裂の寿命を示す時計「テロメア」

 テロメアは染色体の末端にある「TTAGGG」という塩基配列のくりかえし構造である。生まれたての赤ん坊では2000回以上くりかえされている。テロメアは細胞分裂のたびに少しずつ短くなり,ある程度短くなるとその細胞は分裂を停止する。これは,テロメアが染色体を保護するカバーとしてはたらいていることを意味している。

 カバーであるテロメアが極端に短くなると,複数の染色体が末端同士でくっつきあいやすくなる。こうして異常な染色体ができてしまうと,細胞は正常なはたらきができなくなったり,死んでしまったりするのだ。

 


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