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200歳へのテクノロジー (3)
 
活性酸素を無毒化する薬が、長寿を実現する

老化の原因が生体分子の『すり切れ』ならば,傷を防いだり,修復したりすることによって,老化を遅くできないだろうか。そのヒントは老化や寿命の研究に広くつかわれている線虫(C.エレガンス)にみることができる。

 線虫は1000個ほどの細胞からなる体長約1ミリの小さな生物で,土の中にすむ。寿命が最大でも約22日と短く,寿命を調べる実験に適している。下等な生物だが,神経,筋肉,生殖器官,消化管などの体の基本構造は,ヒトなどの高等生物とよく似ている。

 線虫の寿命を制御する遺伝子の中の一つに,傷がつくと寿命が1.5倍にのびる「クロック1遺伝子」がある。白澤室長らは,ヒトにもクロック1遺伝子とほぼ同じ遺伝子があることを突き止めている。

 面白いことに,クロック1遺伝子に傷がついた線虫は,寿命がのびるだけでなく,成熟も遅くなるし,動きものろくなる。つまり生活のリズムそのものが1.5倍に間のびするのだ。

 最近の研究から,このクロック1遺伝子は,細胞小器官であるミトコンドリアでのユビキノン(呼吸の基礎になる分子)の合成に関係していることがわかってきた。「クロック1遺伝子に傷がつくと,細胞の呼吸がうまくできなくなるので,生命活動のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)もあまりつくられなくなります。それで線虫の動きも遅くなると考えられます」(白澤室長談)。


ミトコンドリアから活性酸素が発生する。

それでは,なぜ寿命までのびるのだろうか。

 ミトコンドリアでは酸素をつかってATPが合成される。このときに副産物としてDNAなどの生命分子を傷つけ,老化の原因となる活性酸素が発生する。「おそらく呼吸が抑制されてATPがつくられにくくなるのと同時に,発生する活性酸素も少なくなり,寿命がのびるのではないでしょうか」と白澤室長は仮説を立てる。
 線虫ではほかにも,「エイジ1」,「ダフ2」とよばれる傷つくと寿命がのびる遺伝子がみつかっている。これらも間接的にミトコンドリアのエネルギー代謝に関与しているため,傷がつくと最終的に活性酸素が減少し,長寿になると考えられるのだ。

 では,もしかすると活性酸素を効率よく取り除くことができる薬を飲めば,長寿が実現できるのではないだろうか。「実際,アメリカでは活性酸素を無毒化する薬をつかって線虫の寿命をのばすことに成功しています。活性酸素を取り除く物質は,ヒトの場合でも長寿薬のターゲットの一つになるでしょう」。そう白澤室長は予測する。

 また,ヒトのDNAの中には活性酸素を無毒化するはたらきをもつ遺伝子がもともとあるので,この遺伝子をよりいっそう活性化することで老化を防ぐという手法も考えられている。

 


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