122歳。これが現在の人類最長寿記録である。フランス・アルル地方のジャンヌ・カルマンさんという女性がもつ記録で、彼女は1875年に生まれ、1997年に亡くなった。日本でいうと1868年は明治元年なので、その7年後に生まれ、21世紀直前まで生きつづけていたということになる。
近年になって寿命や老化について、分子レベルでの研究が進み、そのなぞがしだいに明らかになってきている。また一方で、ヒトゲノム解読に代表されるように、生命メカニズムの解明も飛躍的に進み、21世紀にはその医学的応用が期待されている。「122歳」という記録が破られる日もそう遠くはないだろう。
PART1の前半(第2回〜第5回)では、寿命や老化の先端研究を取り上げ、不老長寿の実現可能性にせまる。後半(第6回〜第8回)では、遺伝子治療、幹細胞からの組織再生、オーダーメイド医療など、"200歳時代"の基礎となる最新の話題を紹介する。
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老化の大きな原因に、細胞小器官のミトコンドリアから発生する活性酸素がある。活性酸素はDNAなどの生体分子を傷つける。活性酸素を無毒化する酵素が将来、"長寿薬"として登場するかもしれない。 |