医療テクノロジーの進歩は、これまで治療が困難だった病気を治せるようにするだけなく、病気の発生を予測し、それを未然に防ぐことをも可能にするだろう。その結果、われわれは健康で長生きできるようになる。われわれの寿命はまちがいなくのびるだろう。
最近の研究で、老化のメカニズムや老化に関係した遺伝子が明らかにされつつある。いつまでも若々しく、健康な生活を送るためには、こうした研究は欠かせない。染色体の末端のテロメアとよばれる部分は、細胞分裂のたびにすり減っていく。これが細胞の分裂限界を決めているが、テロメラーゼという酵素はこのすり減りを修復し、細胞を永遠に分裂可能にしてしまう。こうした細胞の不死化現象は、テクノロジーの発達によって、われわれが何歳まで生きられるようになるかを考える上で、興味深い存在である。
人生のクオリティを保つためには、心の状態も大事である。現在、アルツハイマー病をはじめとする痴ほうの治療法や予防法の研究が進んでおり、うつ病をはじめ心の病気を治す薬の研究も進んでいる。アルツハイマー病研究の最前線についてはアメリカの国立老化研究所で、うつ病の治療についてはハーバード大学で取材を行った。
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ES細胞(胚性幹細胞)
受精卵から細胞分裂が進んだ胚盤胞からは、あらゆる組織細胞に分化できるES細胞が取りだせる。将来は、損傷を受けた組織をES細胞から培養した再生組織で置きかえるといったことが行えるようになるだろう。 |