メディカルニュース
新たな血液型が発見された
●Transfusion 2019年7月4日
日本の研究グループにより,37種類目の血液型がみつかった

 ヒトの血液型の分類として,A型,B型などに分類する「ABO血液型」をはじめ,これまでに36種類が知られている。血液型は,輸血などに影響をあたえる重要な要素だ。また,既存の血液型では説明できないような輸血時の問題も発生しており,現在登録されて いる以外にも血液型の存在が予想されている。
 今回,国立国際医療研究センターなどの研究グループは,37種類目の血液型「KANNO」を決める遺伝子を特定し,国際輸血学会の血液型命名委員会から認定を受けた。日本の研究グループが血液型の認定を受けたのははじめてである。この血液型は,ある遺伝子における「E219K」とよばれる変異の有無によって決まる。この遺伝子の変異は,日本人を含むアジア人がもつものであり,アジア人の臓器移植や輸血の際に重要な血液型であることも明らかとなった。
 既存の血液型の分類では説明できない輸血時の問題はほかにも存在する。さらなる血液型が発見され,輸血などがより安全に行われることが期待されている。

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