メディカルニュース
別の動物で臓器をつくる
●Nature Communications 2019年2月5日
ラットの体内でマウスの腎臓をつくることに,世界ではじめて成功した。

   腎臓の移植は,腎不全患者に対する有効な治療法だが,ドナー(提供者)の数が不足している。そのため,iPS細胞(人工多能性幹細胞)から腎臓を作製する試みなどが進められているが,現在のところ移植に適した腎臓の作製には成功していない。
 今回,自然科学研究機構の後藤哲平博士らは,まず,腎臓をつくるのに不可欠な遺伝子を機能しないようにしたラットの受精卵をつくった。そして,その受精卵の中に,ラットとは別種であるマウスのES細胞(胚性幹細胞)を注入し,生まれたラットの体内で,マウスの細胞に由来する腎臓をつくった。今回つくられた腎臓の組織をくわしく解析したところ,血管などの一部の組織はマウスとラットの細胞がまざっていたため,今後さらに改良が必要だという。腎臓という大きな臓器の再生に世界ではじめて成功したこの成果は,移植臓器をつくる再生医療の発展にも貢献すると期待されます,と博士らはのべている。

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