メディカルニュース
代謝の衰えを防ぐ
●Nature metabolism 2019年1月7日
老化をおさえる物質を細胞に取りこむはたらきをもつタンパク質を発見した。

 加齢とともに「NAD+」という物質が減少することが,細胞の老化を引きおこす一つの要因であると考えられている。NAD+が減る理由は,加齢とともに体内での合成量が減ったり,消費量がふえたりするためだ。NAD+の合成に使われる物質として「ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)」がある。これまでの研究で,NMNをマウスに投与すると,老化にともなう代謝の低下をおさえることができたが,NMNがどのように細胞に取りこまれるかがわかっていなかった。
 アメリカ,ワシントン大学の今井真一郎博士らは,「Slc12a8」とよばれるタンパク質に,NMNを細胞に取りこむはたらきがあることを発見した。また,このタンパク質のはたらきをおさえると,NMNを細胞に取りこむ量が減り,NAD+の量も減った。
 NMNを摂取するだけでなく,Slc12a8の機能を高めることで,さらに老化をおさえることができるかもしれないと,博士らはのべている。

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