メディカルニュース
腸内細菌でてんかんを治療
Cell 2018年6月14日
腸内細菌を移植すると,てんかん発作の頻度がおさえられた。

 くりかえし発作をおこす脳の疾患「てんかん」。発作の頻度をおさえる治療法として,炭水化物の摂取を減らすなどの「ケトン食療法」という食事療法が用いられることがある。だが,ケトン食療法になぜ効果があるのか,よくわかっていなかった。
 アメリカ,カリフォルニア大学のオルソン博士らは,ケトン食療法により「アッカーマンシア」と「パラバクテロイデス」という腸内細菌が増加し,それがてんかん発作の抑制にかかわることを見出した。てんかんのマウスに抗生物質をあたえ,腸内細菌を減らすと,ケトン食療法の効果がなくなった一方で,2種の腸内細菌を移植すると,普通食でもてんかんマウスの発作が抑制されたのだ。さらに,ケトン食療法を受けた,てんかんマウスでは,神経伝達物質であるGABAが,脳の海馬で増加していることを突きとめた。腸内細菌がGABAの量に影響し,それがてんかん発作を抑制しているようだ。

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