メディカルニュース
紫外線で記憶力アップ!?
Cell 2018年5月17日
紫外線をあびたときに皮膚でつくられる物質が,脳のはたらきに影響する可能性が示された。

 紫外線は,日焼けや皮膚がんの原因となるが,適度な紫外線は皮膚におけるビタミンDの生成を促進するなど,よい効果をもっている。さらに興味深いことに,紫外線が,記憶力などの認知機能や,気分などにも影響する可能性がこれまでに報告されていた。しかし,くわしいことはわかっていない。
 中国科学技術大学のデュー博士らは,紫外線をあびたときに皮膚で「ウロカニン酸」という物質がさかんに合成されることを見出した。さらに合成されたウロカニン酸は,血液を介して脳内へと移行し,ニューロン(神経細胞)の信号伝達をになう「グルタミン酸」に変換されることがわかった。
 実際に紫外線を多くあびたマウスは,ニューロンから放出されるグルタミン酸の量がふえていた。そこで記憶テストを行ったところ,紫外線を多くあびたマウスは,記憶力や学習能力が向上していたという。

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