メディカルニュース
死亡時刻を知る新手法
nature communications 2018年2月13日
細胞内のmRNAを調べることで,死亡時刻を正確に推定できるようになるかもしれない。

 生物の細胞内には,さまざまな種類の「mRNA」という物質が存在し,それぞれの量は,細胞の状況に応じて,時々刻々と変化している。また,mRNAは不安定で,生物が死ぬと,比較的すみやかに分解されていく。将来,このmRNAを分析することで,現在よりも正確な死亡推定時刻を出すことができるようになるかもしれない。
 ポルトガル,ポルト大学のフェレイラ博士らは,GTExという国際的な研究プロジェクトで得られた,ヒトのmRNAについての大規模なデータを解析し,ヒトの死後の時間と,組織に含まれる全mRNAとの関係を調べた。その結果,mRNAの組成から,死亡時刻を推定できることがわかった。組織によって推定しやすさはことなり,推定しやすい組織には,皮膚や皮下脂肪のような容易に採取可能なものも含まれていた。
 よりたくさんのデータを解析することで,この手法はより正確なものになっていくだろう,と博士らはのべている。

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