低栄養状態とならない程度のカロリー制限は寿命をのばし，加齢にともなう病気の発症を遅らせることが，多くの生物で報告されてきた。しかしアカゲザルでの効果については見解が割れ，アメリカのウィスコンシン大学のグループは「効果あり」，同じくアメリカの国立加齢研究所のグループは「効果なし」との報告をしていた。
　このほど，二つのグループが協力し，寿命，体重，摂食量，絶食時血糖値，加齢関連疾患などに対するカロリー制限の影響について，従来の研究結果を再解析した。その結果，カロリー制限がアカゲザルの健康と寿命の延長の両方に有効であるという見解を出した。過去の研究結果の相違は，カロリー制限をはじめたときのアカゲザルの年齢や給餌の種類など，研究計画のちがいによって説明できる可能性があるという。
　カロリー制限の効果は，ヒトでも同様にみられる可能性があると研究グループはのべている。