メディカルニュース
角膜の幹細胞はやわらかい
Biophysical Journal 2016年10月18日号
細胞のかたさを調べることで,幹細胞をみつけだすことができるかもしれない。

 アメリカでは,遺伝や化学物質などの影響で,毎年100万人ほどに視力障害が生じる。その原因は,眼の「角膜」を保つための細胞を供給する「LSC」という幹細胞の減少にあるとされている。
 近年,角膜移植の技術が向上し,LSCを含む角膜を移植すれば視力の回復が望めるようになった。しかし,移植する角膜に十分量のLSCがなければ,十分な回復はみこめない。LSCの特徴が十分明らかになっていないため,ドナーの角膜が移植にふさわしいものかどうか調べられなかった。
 アメリカ,ジョージア工科大学のボンジョルノ博士らは,LSCのかたさに注目した。LSCのかたさを計測すると,ほかの細胞にくらべてやわらかいことがわかった。 今回の手法では,一つの細胞のかたさの計測に時間がかかる。今後,計測時間が短くなれば,LSCを多く含む移植に適した角膜を簡単に判定する手法として利用できるかもしれない。

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