メディカルニュース
難病解明に光?
Brain 電子版 2016年6月30日
神経の難病であるALSのモデルマウスをつくり,発症のしくみを一部解明した。

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は,筋肉の動きを指令する神経が徐々に変性して いくことで,運動や呼吸までもが困難になる病気だ。発症のしくみは解明されて おらず,今も有効な治療法はない。
 慶應義塾大学の鈴木則宏博士らは,2016年4月に「FUS」という遺伝子がALSの 発症に関係していることを突きとめた。そして今回,FUSを導入することで,ALS と同じ症状を発症したマウスをつくることに成功した。このマウスを調べたとこ ろ,神経細胞の核をとりまく部分に異常にタンパク質が蓄積しており,ALSの原 因となっていることがわかった。さらに,このマウスの脳組織を調べてみると, はたらきの度合いが大きく変化している遺伝子群がみつかった。これらもALSの 発症に深くかかわっている可能性がある。
 これらのタンパク質や遺伝子群を対象とすることで,ALSの治療法の開発につ ながる可能性がある,と博士らはのべている。

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