メディカルニュース
腎臓病を予測する
New England Journal of Medicine 2015年11月12日号
将来的に腎臓病になりやすい人の血中に含まれるタンパク質を発見した。

 アメリカ人の約11%は慢性的な腎疾患にかかっている。腎疾患になると死亡率が上がるため,腎疾患になりやすい人を早めにみつけ,予防することが重要だ。そこで,腎臓機能の指標となる尿中のタンパク質などを検査して,腎疾患になりやすい人をさがす試みが行われてきた。しかし,腎疾患へのなりやすさを判断する指標となる物質はみつかっていなかった。
 アメリカ,エモリー大学のハイエク医師らは「suPAR」というタンパク質の血中濃度が高いと,「糸球体濾過率」という腎臓の血液浄化機能の高さを示す数値が下がることを確認した。また,平均63歳の3683人の被験者のsuPARの濃度を数年にわたって検査し,糸球体濾過率が低下した患者が腎疾患になる割合を調べた。その結果,suPARが高い人は,将来的に通常の人の3倍ほど慢性腎疾患になりやすいことがわかった。
 suPARの濃度から,将来の腎疾患を予想できるかもしれない。

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