ヒトの体には膨大な数の細菌がすんでおり,この細菌の種類と割合は,個人によってことなることが明らかになってきている。体にすみついた細菌集団を調べれば,指紋のように個人を特定できるかもしれない。
アメリカ,ハーバード公衆衛生大学大学院のフランゾーサ博士らはコンピュータ解析などを用いて体にいる細菌集団から個人が特定できるかを検討した。腸,口内,皮膚,便などからサンプルを採取し,その中に含まれる細菌の遺伝子を解析して,個人の特定を目指した。その結果,便から採取したサンプルを用いた場合,採取してから1年以内であれば80%以上の確率で個人を特定することができた。さらに,個人の特定ができなかった場合も,あやまった人を指すことはまれだったという。
近いうちに,体の細菌が犯罪捜査に使われるようになるのかもしれない。
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