メディカルニュース
アジア人の腸内細菌
Scientific Reports 電子版 2015年2月23日
住環境と食物によって,腸内に住む細菌が決まっているのかもしれない。

 腸内には数100種類以上の細菌が生息する。その腸内細菌種のバランスは,ヒトの健康状態と密接に関係している。
 九州大学の中山二郎博士らは,7〜11才の303人の子供の便を分析して,中国,日本,台湾,インドネシア,タイのヒトの腸内細菌を調べた。その結果,腸内細菌の構成は「プレボテラ属」の細菌を多く含むPタイプと「ビフィズス菌」を多く含むBBタイプの二つのタイプに分類できることがわかった。中国,日本,台湾の子供の多くはBBタイプであり,インドネシア,タイの子供はPタイプが多かった。また,どちらのタイプの子供も,アメリカやヨーロッパの子供にくらべ,善玉菌が多く存在していた。
 なかでもとくに,日本の子供は善玉菌であるビフィズス菌が多く,病原性をもつ細菌が少なかった。生活環境と食物が腸内細菌のちがいを生んでいるのだろうと博士らはのべている。

CLOSE

CLOSE