メディカルニュース
大気汚染が子供に影響
PLOS ONE 2014年11月5日
妊婦が大気汚染物質にさらされることが,子供がADHDとなる一因かもしれない。

 大気汚染物質の一つ「多環芳香族炭化水素(PAH)」は化石燃料などが燃焼することで生じ,都市部に広く存在する。これまでの研究から,PAHは神経毒性をもつことが知られている。
 アメリカ,コロンビア大学のペレラ博士らは,ニューヨークにすむ子供を出生前から9年間追跡調査し,妊娠中に浴びるPAHが子供に与える影響を調べた。妊娠中に浴びたPAHの量は,臍帯血から分析された。調査の結果,高濃度のPAHにさられされた妊婦の子供は,注意力が散漫になるなど,「注意欠陥・多動性症候群(ADHD)」に特徴的な行動をとる割合が高くなっていることがわかった。その割合は,PAHにあまりさらされていない妊婦の子供にくらべて,5倍ほども高かったという。
 今回の結果は,妊娠時に大気中のPAHにさらされることが,子供のADHDの一因となっている可能性を示している。

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