メディカルニュース
HIV感染拡大の歴史
Science 2014年10月3日号
交通網の発達が,HIVが世界中に広まる要因となったようだ。

 エイズを引きおこす「ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)」の発見から約30年がたったが,どのようにしてウイルスが人類に伝染し,広がってきたのか,いまだにはっきりとわかっていない。
 アメリカ,オックスフォード大学のファリア博士らは,中央アフリカのエイズ患者から得たHIV-1の全遺伝情報(ゲノム塩基配列)を統計学的に解析することで,HIV-1がどのように感染を拡大してきたのか,その歴史を探った。その結果,HIV-1の起源を1920年代前半のキンシャサ(現在のコンゴ民主共和国の首都)までさかのぼることができた。ヒトとチンパンジーの接触によってヒトへと伝播したウイルスは,キンシャサで感染を広げ,そこを起点にアフリカの各地に広まっていったようだ。さらに,それが世界中の爆発的感染につながったという。
 キンシャサからHIV-1が広まっていった時期は,ちょうど鉄道輸送などの交通網が発達した時期と一致しているという。

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