メディカルニュース
夢を思いどおりに
nature neuroscience 電子版 2014年5月11日
脳に電気刺激をあたえ,睡眠中に夢を自覚させる方法が開発された。

 睡眠中に夢をみている際に,それが夢だと自覚できることは少ない。もし,夢を自覚できれば,思い通りに夢をコントロールできることもある。このように自覚しながらみる夢を「明晰夢」という。
 最近の研究から,夢の中での意識と,脳の「前頭側頭」という部位から発せられる25〜70ヘルツ(ヘルツは1秒間の振動数をあらわす単位)の脳波に関連があると考えられているが,その因果関係はよくわかっていない。ドイツ,ゲーテ大学のフォス博士らは,睡眠中の脳に電気刺激をあたえることで,明晰夢を誘導することに成功した。効果があったのは25ヘルツと40ヘルツの電気刺激である。とくに40ヘルツの電気刺激をあたえた際は,77%の確率で被験者が明晰夢をみたと報告したという。電気刺激が脳の活動に影響したと考えられる。
 夢を自覚させることで,悪夢に悩まされる人の治療に役立つかもしれないと博士らはのべている。

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