メディカルニュース
蛍光で細菌感染を知る
nature communications 2013年10月15日
手術などの際におきる細菌感染を可視化することに成功した。

 手術などの際には,抵抗力の弱い患者の体内に黄色ブドウ球菌などのグラム陽性細菌が入りこんで感染がおきることが問題となる。この細菌感染の検出を行うことはこれまでむずかしかった。
 オランダ,グローニンゲン大学のオーステン博士らは,バンコマイシンという抗生物質を蛍光物質で標識した「vanco-800CW」という物質を用いてグラム陽性細菌による感染を検出することに成功した。この物質はグラム陽性細菌の細胞壁に結合し,蛍光を発する。博士らは移植を受けたヒトの死後の組織において,vanco-800CWが細菌感染を可視化できるか調べた。その結果,vanco-800CWはグラム陽性細菌の感染を検出することができ,細菌によらない炎症と区別できたことがわかった。
 vanco-800CWを用いることで,体に傷をつけずにグラム陽性細菌の感染を診断できる可能性があり,初期臨床試験に利用できるだろう,と博士らはのべている。

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