メディカルニュース
ノロウイルスの感染予防に光
Journal of Virology 2013年6月26日
腸内細菌「SENG-6」がノロウイルス粒子の捕捉にかかわることがわかった。

 ノロウイルスはヒトどうしで感染するウイルスで,感染すると,急性の胃腸炎を発症する。ノロウイルスの感染経路は未解明であり,ノロウイルス感染症の根本的な治療法はまだない。
 今回,北海道大学の三浦尚之博士らは,ノロウイルス粒子をとらえることのできる腸内細菌を発見した。ノロウイルスはヒトの小腸上皮に存在する「血液型抗原」という糖を利用して,ヒトに感染すると考えられている。博士らが,血液型抗原と結合するタンパク質を用いて実験を行ったところ,健常人の便の中に血液型抗原に似た物質をもつ細菌「SENG-6」がいることがわかった。実際,この細菌は4種類のノロウイルス粒子に結合することができたという。
 ノロウイルスと結合できる腸内細菌についてさらに研究することで,ノロウイルス感染を防ぐ新たな方法を開発するための手がかりが得られるかもしれない,と博士らはのべている。

CLOSE

CLOSE