メディカルニュース
網膜の遺伝子治療に道
PLOS ONE 2013年1月15日
ウイルスを用いて遺伝子を入れることで,網膜の機能を改善することができた。

 網膜のでき方や病気を理解するためには,網膜ではたらく遺伝子の機能を分析することが必要だ。その方法の一つに,「アデノウイルス」というウイルスを網膜の細胞に感染させて遺伝子を入れ,その機能を調べる方法がある。
 今回,大阪大学の渡邉哲史大学院生らは,7種類のアデノウイルスを用いて実験を行い,発達中の網膜のどの細胞にウイルスが感染するのかを調べた。その結果,7種類のアデノウイルスにはそれぞれ感染しやすい細胞があることが明らかになった。つづいて大学院生らは,「Crx」という遺伝子をなくしたマウスにアデノウイルスを用いてこの遺伝子を入れた。Crxは網膜細胞のでき方や機能にかかわる遺伝子で,この遺伝子がないマウスでは網膜の機能がそこなわれるが,Crxを入れた結果,マウスの網膜の機能が改善した。
 将来,ヒトの網膜の遺伝性疾患の治療にアデノウイルスを有効に使用できるかもしれない,と大学院生らはのべている。

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