細胞には,「マイクロRNA」とよばれる,20数個の塩基からなる核酸がある。マイクロRNAは,「エクソソーム」という小胞によって細胞外に放出されることが知られている。これまで,血液中のマイクロRNAをさまざまな病気の診断に応用することをめざして研究が進められてきた。
今回,大阪市立大学の村上喜基博士らは,C型慢性肝炎を診断するために血液中のエクソソームのマイクロRNAを利用できないかを検討した。博士らは,患者と正常な人のエクソソームから回収したマイクロRNAを解析した。その結果,患者と正常な人ではエクソソームに含まれるマイクロRNAがことなることがわかった。さらに今回同定された9つのマイクロRNAを調べることで,患者と正常な人を96.59%の正確性で判別できたという。
今後,血液中のエクソソームに含まれるマイクロRNAを調べるだけで肝臓病を診断できるかもしれない,と博士らはのべている。
|