メディカルニュース
ネコにアルツハイマー病?
PLOS ONE 2012年10月3日
アルツハイマー病の病変である神経原繊維変化が,ツシマヤマネコにみられた。

 アルツハイマー病は,認知症の一種であり,発症原因はいまだ不明だ。一説によると,加齢にともない,タンパク質「βアミロイド」が凝集して「老人斑」が形成され,つづいて「神経原繊維変化」とよばれる,脳の神経細胞への「タウタンパク質」の凝集がおこるとされる。サルや犬では,老人斑が認められるが,神経原繊維変化はほとんどおこらない。
 今回,東京大学のチャンバース博士らは,対馬のみに生息する絶滅危惧種「ツシマヤマネコ」に,神経原繊維変化が認められたことを示した。このネコの脳では,βアミロイドの沈着があったものの,サルなどでみられる老人斑は認められなかったという。
 ツシマヤマネコにみられた神経原繊維変化は,同じネコ科動物のチーターにもみられることが報告されている。そのため,アルツハイマー病の病態メカニズムを考えるうえで,ネコ科動物は参考となるかもしれない,と博士らはのべている。

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