メディカルニュース
禁煙成功を予測可能?
nature neuroscience 2011年4月号
自己認識に関する脳領域の活動が高かった人が,個人別の助言で禁煙できた。

 行動を変化させ健康状態を改善するには,一律に助言するよりも,個人に合わせて助言するほうが効果的である。しかし,個人に合わせて助言したとき,脳の活動がどう変化して行動を変化させるのか,不明な点が多い。
 アメリカ,ミシガン大学のチュア博士らは,91人の喫煙者を個人別の禁煙プログラムに参加させた。プログラム開始時に助言する際,fMRI(機能的核磁気共鳴画像法)で脳活動を測定しておき,参加者を4か月間追跡調査した。その結果,禁煙に成功した人では,プログラム開始時に撮影した脳活動の画像に特徴がみられることがわかった。自己認識にかかわる「前頭前野背内側部」の活動がとくに増加していたという。
 前頭前野背内側部がうまくはたらくと,より深く自分を評価したり判断したりできるとされる。その結果,個別の助言にもとづいて計画をきちんと立てることができ,生活習慣の改善に至るのだろう,と博士らは考えている。

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