サルモネラ菌は,食中毒による胃腸炎の原因となる病原菌である。宿主への侵入や炎症の引き金となる構造をもつ「SipA」というタンパク質により,症状が引きおこされる。
SipAは,二つに切断されることで感染のための機能を発揮する。今回,アメリカ,マサチューセッツ大学メディカルスクールのスリカンス博士とウォール博士らは,SipAが,腸の上皮細胞がもつ酵素「カスパーゼ-3」を活性化し,それを利用して結果的に自分自身を2つの部分に切断させていることを示した。
カスパーゼ-3は,サルモネラ菌から分泌されるほかのタンパク質も切断する可能性がある。これは,サルモネラ菌が,宿主細胞による切断を感染の戦略として広く用いていることを意味する,と博士らはのべている。
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