メディカルニュース
結核発症のサイン
nature 2010年8月19日号
結核が活性化するときにあらわれる転写産物が,新たに特定された。

 結核は結核菌の感染によっておき,世界中で主な死因となっている。感染者の大半は,症状が出ないまま潜在性結核となる。その後,一生の間に結核を発症する可能性はおよそ10%といわれている。現在,どの患者が結核を発症するかを特定する方法は,確立できていない。  イギリス,国立医学研究所のベリー博士らは,活性化した結核菌をもつ結核患者の血液を分析し,393個の特徴的な転写産物を明らかにした。博士らはまた,活動性結核とその他の炎症性および感染性の病気とを区別する,86個の特異的な転写産物を特定することにも成功した。  今回,転写産物の特徴を解析することで,結核の病因としてこれまであまり関係ないとされていた「I型IFN-αβ」のシグナル伝達が,実は関係していることが示された。博士らは,今回の研究結果を使えば,結核の診断や予測に役立つバイオマーカーが開発できるかもしれない,とのべている。  

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