メディカルニュース
適切なアミノ酸バランスを保てば,食事制限でおきる生殖力低下が防げるようだ。
nature 2009年12月24/31日号
骨の維持に重要なタンパク質が体温調節にも関わっていることがわかった。

 多くの生物は,ある程度の食餌制限をすると寿命がのびる一方,生殖力は低下する。これは栄養分を生殖機能から,みずからの生存へ振りかえるためにおこると考えられている。もしそうならば長寿と高い生殖力は同時になりたたないことになるが,ほんとうだろうか?  イギリス,ロンドン大学のグランディソン博士らは,ショウジョウバエを用いて,食餌制限をしたときに寿命と生殖力に影響する栄養分が何かを調べた。食餌制限したショウジョウバエに,10種の必須アミノ酸をあたえると食餌制限の効果がなくなり,寿命が短くなった。しかし,必須アミノ酸の一種であるメチオニンのみをあたえると,長寿のままで生殖力を回復させることができた。寿命と生殖力には,摂取するアミノ酸のバランスが関係しているようだ。  カロリー制限しながらも適切なアミノ酸バランスを保つことで,哺乳類も生殖力を減少させずに長寿になれるかもしれない,と博士らはのべている。 -------------  

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