メディカルニュース
薬の新たな効用
nature 2009年11月12日号
コンピューターで薬がもつ本来の効用以外の効用をみつけだせるかもしれない。

 今までに生みだされてきた多くの薬は,特定の分子を標的として設計されている。しかし,そのような薬でも複数の標的分子をもつことが多く,これが副作用や効き目に関係している可能性がある。そのため,薬が標的とできる可能性のある分子をコンピューターで探索することで,副作用や効き目の判断に利用できるのではないかと考えられてきた。  アメリカ,カイザー博士とセトラ博士らのグループは,アメリカ食品医薬品局に承認されている,もしくは治験中である,3665種類の薬が,本来の標的分子以外にどのような分子を標的とする可能性があるかコンピューター解析により検討した。その結果,一部の薬が予期しない標的分子と結合できることがわかった。また,そのうちのいくつかについては実験で検証した。たとえば,抗HIV薬「レスクリプター」はヒスタミンの受容体に拮抗することがわかった。  今回開発された方法で,薬の副作用や新しい適応症がみつかるかもしれない,と博士らはのべている。 -------------  

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