メディカルニュース
治療に応答する遺伝子
nature 2009年9月17日号
C型肝炎ウイルス治療の効きやすさを決めている遺伝子がみつかった。

 C型肝炎ウイルスの慢性感染は世界中で1億7000万人にものぼり,北アメリカでは肝硬変の主な原因になっている。既存の治療法は効き方にばらつきがあり,治らない患者も多い。また,アフリカ系の患者よりもヨーロッパ系の患者のほうが治る確率が高いということが知られている。さらに,この治療法は人によっては重い副作用が出ている。そこで,この治療法に応答している因子が何かを特定することが求められていた。  アメリカ,デューク大学のゲー博士らはIL28B遺伝子付近の「インターフェロンラムダ-3」というタンパク質をつくる遺伝子の多型が肝炎の治療法に応答していることを確かめた。応答の程度は,約2倍の幅があった。この傾向は,ヨーロッパ系患者およびアフリカ系アメリカ人の患者の両方でみられたが,よりよい応答をする遺伝子型をもつ人はアフリカ系の人よりもヨーロッパ系の人の中に高い頻度で見られた。博士らは,この遺伝子多型はアフリカ系のアメリカ人とヨーロッパ系のアメリカ人とで肝炎治療法で治る人の割合がことなる理由の一部を説明している,とのべている。 -------------  

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