メディカルニュース
やっぱりかゆみと痛みは別
Science 2009年9月18日号
 かゆみと痛みはことなる神経によって脳に伝えられることが明らかになった。

 一般的に,かゆみと痛みは別の感覚である。ただし,神経科学の分野では,かゆみは痛みの一種で,これらの感覚を脳に伝える神経回路は同じものではないかと考えられてきた。しかし,その真偽は不明で,議論がつづいていた。  アメリカ,ワシントン大学のスン博士らの研究グループは以前,脊髄において「GRPR」というタンパク質がかゆみに反応する受容体(センサー)であることを明らかにしていた。このたび,博士らは,マウスの脊髄でGRPRが発現している神経細胞だけを薬剤で除去し,かゆみや痛みを感知することができるかどうかを確認した。このマウスにかゆみを引きおこす薬をあたえたところ,かゆみに対する反応は低下していた。一方,痛みについては正常に感知することができた。  今回の実験結果から,かゆみを伝える神経回路は痛みを伝える神経回路とは別であることがようやく明らかになった,と博士らはのべている。 -------------  

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