メディカルニュース
統合失調症をおこす因子
Science
免疫に関係する遺伝子のある領域に統合失調症を発症させる変異がみつかった。。

「統合失調症」は,幻聴などのさまざまな症状を引きおこす深刻な精神疾患である。この病気にかかる確率は全人口の0.5%から1%で,80%から85%の高い確率で遺伝することがわかっている。しかし,遺伝のしくみは複雑で,統合失調症が生じるくわしいメカニズムはまだわかっていない。  アメリカ,スタンフォード大学のシ博士らは,複数のデータベースを用いて統合失調症と遺伝子の変異の関係を解析した。その結果,第6染色体上の「主要組織適合性遺伝子複合体領域」という部分に,統合失調症と強くかかわりのある変異があることを見出した。この領域にはいくつかの免疫に関係する遺伝子が含まれており,統合失調症の発症には,クロマチン修飾,転写調節,自己免疫疾患などにかかわるメカニズムが関係すると考えられるという。  この研究は,統合失調症をかかりやすくする遺伝子を特定し,この病気が生じるメカニズムを研究するうえでの重要な指針となるだろう,と博士らは主張している。 -------------  

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