メディカルニュース
炎症の終わらせ方
nature
T細胞が炎症性サイトカインの分泌を抑制し,炎症反応を終わらせていた。

 炎症反応は,病原菌からの感染防御や組織治癒にとって重要な反応である。しかし,炎症反応が正しく終結されないと組織が損傷を受け,関節炎やII型糖尿病を発症することがある。近年の研究成果より,T細胞は病原菌の除去のみならず,免疫系を制御する役割をもつことが明らかになっている。しかし,過度の炎症反応がどのようにして制御されているか,詳細は不明であった。  スイス,ローザンヌ大学のグアルダ博士らは,T細胞の一種である「エフェクターT細胞」と「記憶T細胞」が,マクロファージからの炎症性サイトカイン「IL-1β」の分泌をおさえ,炎症反応を終結させることを明らかにした。腹膜炎のモデルマウスを使った実験を行ったところ,エフェクターT細胞は好中球の動員を減少させた。このことからエフェクターT細胞が生体内においても炎症反応を抑制させることがわかった。  今回の発見は新しい抗炎症薬の開発や炎症性疾患の解明につながるのではないか,と博士らはのべている。 -------------  

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