メディカルニュース
年齢で幹細胞の性質が変化
nature
成体と胎児では筋肉の幹細胞が筋肉になるのに必要な遺伝子がことなるようだ。

 筋肉の元となる幹細胞「サテライト細胞」が筋肉の細胞になる(分化する)ためには,「Pax7」とよばれる遺伝子が必要であることが試験管内の実験で示されている。しかし,実際の生体内でもPax7が必要であるかどうかは,証明されてはいなかった。  今回,アメリカ,ジョンズ・ホプキンス大学のレッパー博士らは,さまざまな年齢でPax7がはたらかないようにできるように遺伝子改変されたマウスを使って,サテライト細胞の分化のようすを調べた。その結果,大人のマウスでは,Pax7がはたらかなくてもサテライト細胞が正しく筋肉細胞に分化した。一方,子供のときには,Pax7がはたらかないとサテライト細胞は正しく分化しないことがわかった。  このことから,胚を使った研究結果を大人の幹細胞にあてはめることには,問題があることが示された。博士らは,幹細胞の移植による治療では,はなれた年齢の相手からとった幹細胞を使用することにも問題が生じる可能性があるとのべている。 -------------  

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