メディカルニュース
寿命延長効果を確認
nature
酵母などで確認されていた寿命をのばす薬の効果が,哺乳類でも実証された。

 ヒトの免疫反応を抑制する薬剤「ラパマイシン」は,細胞が栄養状態を感知するしくみである「TOR経路」を阻害する。酵母や線虫などの無脊椎動物において,TOR経路を阻害すると寿命がのびることがわかっているが,哺乳類でも同様に寿命がのびるかどうかは不明だった。  アメリカ,ジャクソン研究所のハリソン博士らは,高齢のマウスにラパマイシンをあたえ,寿命の変化を観察した。その結果,ラパマイシン投与によって,全体の9割におよぶ個体で寿命の延長が確認された。ラパマイシンを投与しないグループにくらべ,平均寿命は雌で14%,雄で9%長くなった。なお,薬の投与の有無によって,かかる病気の種類はとくにかわらなかった。  寿命がのびた理由について,がんの発生と進行をおさえる,または老化を遅らせる,あるいはその両方の作用がはたらいているためかもしれない,と博士らは推測している。 -------------  

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