メディカルニュース
ハンチントン病の発症原因
Science
線条体で特異的に発現する「Rhes」が神経変性を誘発していることがわかった。

 ハンチントン病は,「Huntingtin(Htt)」というタンパク質の変異が引きおこす神経変性疾患である。変異したHttは,異常に長く連続したグルタミンをもっている。変異Httは全身に存在するにもかかわらず,脳の線条体で特異的に異常がおこる。なぜ変異Httが線条体でのみ毒性をもつのか不明であった。  このたび,アメリカ,ジョンズ・ホプキンス大学のサブラマニアム博士らは,線条体に特異的に存在するタンパク質「Rhes」が,変異Httと相互作用していることを発見した。培養細胞を用いた実験を行ったところ,Rhesは変異Httの「SUMO化」という修飾を誘導することで,細胞毒性を引きおこしていることがわかった。  ハンチントン病の診断は症状が出る何年も前に可能なので,予防的治療法により発症を防ぐことや遅らせることが期待される。Rhesと変異Httとの結合をさまたげる薬ができれば,ハンチントン病の治療薬として有効かもしれないと,博士らはのべている。 -------------  

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