メディカルニュース
再生能力は全体にあった
nature
目の角膜全体に,角膜を再生する能力のある幹細胞が存在していたようだ。
  角膜は,眼球の最も前面にある,正常な視覚のために欠かせない組織である。世界中で1億3500万人が,角膜がにごることが原因で重い視覚障害をもっており,新しい角膜になることができる「幹細胞」を使った治療法が注目されている。
これまでの研究では,幹細胞は角膜の縁にのみ存在していると考えられていた。スイス,ローザンヌ大学病院のマーヨ博士らは,マウスやブタの眼を用いた実験により,幹細胞は縁だけでなく,角膜全体に存在していることを明らかにした。
博士らは,マウスの角膜の中心部を,別のマウスの角膜の縁に移植した。移植されたマウスの角膜中心部を傷つけたところ,縁に移植した細胞が損傷部に移動して修復を行うことが確認された。また,ブタの眼球の角膜を調べたところ,縁だけでなく,どの部分にも幹細胞が存在することが示された。
今回の発見によって,角膜の再生に関する新しい考え方が示された,と博士らはのべている。
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