メディカルニュース
再発防止に光明
Science
急性リンパ性白血病の再発原因となる細胞を,探りあてることに成功した。
  子供が「急性リンパ性白血病(ALL)」になっても,多くの場合は完治する。しかし,一度治療したあとに再発すると,亡くなってしまう可能性がきわめて高い。アメリカ,聖ジュード小児病院のムリガン博士らは,再発のしくみを明らかにするため,61人のALLの子供について,診断時と再発時に採取した細胞のゲノム(遺伝情報)を比較した。
すると再発時には,染色体の本数が増加したり減少したりする「ゲノムコピー数異常(CNAs)」がおきていることがわかった。このときのCNAsは,細胞分裂の周期や,抗体をつくる細胞の発生に関係する遺伝子に影響をあたえていたという。
また,再発を引きおこしていた原因細胞は,最初の診断時にはほんのわずかしか存在していなかったタイプであったことも,CNAsの分析から明らかになった。
博士らは,ALLを再発させる可能性のある異常な細胞を選別し,治療することで,再発を防止できるかもしれない,と考えている。
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