メディカルニュース
神経活動で濃度が変化
Science
アルツハイマー病の原因物質が,脳内でどう変動するかがわかった。

  アルツハイマー病では,「アミロイドβ」というペプチド(アミノ酸が数十つながったもの)が脳内に蓄積していることが知られている。アミロイドβは健常者の脳にも存在しているが,ヒトの脳内のおける濃度やその変動については,よくわかっていなかった。
アメリカ,ワシントン大学のブロディ博士らは,急性脳障害の治療のため頭の内部を検査している患者18名について,脳の「間質液(細胞間を満たす液)」を採取し,分析した。
その結果,間質液に含まれるアミロイドβの濃度と脳の神経活動の強さには,相関関係があることを明らかにした。すなわち,神経活動が活発になれば,間質液のアミロイドβ濃度は上昇し,活動が低下すれば濃度は低下していた。
今回のデータはアルツハイマー病患者のものではないが,ヒト脳内のアミロイドβ濃度に関する貴重なものであり,今後の研究に有用な情報となるであろう,と博士らはのべている。
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