メディカルニュース
デュアン症候群の原因遺伝子
Science
先天性の眼球運動障害の原因となる遺伝子変異が特定されたようだ。

  デュアン症候群(DRS)は,脳幹運動神経の軸索による外眼筋の神経支配が正しく行われないことが原因でおきる,先天性の眼球運動障害である。
アメリカ,ボストン子供病院の三宅博士らは,あるDRS患者の家系について,遺伝子の調査を行った。その結果,「CHN1」という遺伝子に変異がおきていることがわかった。
CHN1遺伝子は,α2?キメリンというタンパク質をコードしている。α2?キメリンは,マウスにおいて皮質脊髄路の軸索の経路探索にかかわるといわれている。 さらに博士らは,DRS患者にみられたCHN1遺伝子の変異は,α2?キメリンの活性を変化させることを明らかにした。
ニワトリの胚にα2?キメリン変異体を発現させたところ,眼球運動神経の軸索は,外眼筋の神経支配に失敗した。
今回の結果から,α2?キメリンは眼球運動神経の軸索の経路探索が発達するときに重要な役割を果たしている,と博士らは考えている。
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