メディカルニュース
潜伏する感染症
nature
無症状のコレラ感染者は,報告されていたよりもずっと多いようだ。

  多くの感染症において,感染したものの症状が軽いために,感染者として記録されない患者が存在する。細菌感染症である「コレラ」でも同じことがおきる。
明確な症状を示す感染者に対する無症状の感染者の比率について,いくつかの報告はあるものの,はっきりとはわかっていなかった。
アメリカ,ミシガン大学のキング博士らは,人からの感染と環境中からの感染の両方を考慮した,新しいコレラ感染モデルを作成した。
このモデルを用いて,ベンガルの26の地域における過去50年間のコレラ感染データを分析した。
すると,コレラの無症状感染の割合は報告されていたよりもずっと高いことが明らかになった。また,軽い感染によって得た免疫は過去の試算よりもかなり早く弱まってしまうことも示された。
今回のモデルを使って感染症の流行を分析することで,多くの感染症について,これまでの理解がかわるかもしれない,と博士らはのべている。
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