メディカルニュース
副作用から予測する
Science
同じ副作用の薬同士は,同じ部分に作用することがあるようだ。

これまで,薬が標的にする部分は,薬剤の化学構造や培養細胞内での活性などを手がかりに予測されてきた。
ドイツ・ヨーロッパ分子生物学研究所のモニカ・キャンピロスらは,2つの薬が標的にする部分が共通しているかを探る手がかりとして,それらの副作用の類似性を用いた。
746種の市販薬のデータを分析すると,副作用とそれを引きおこす薬同士の関係について1018通りのネットワークができた。
そのうち261通りでは,うたわれている薬効や化学構造はことなっていた。
博士らは,手はじめにこの261通りの中の20組について調べ,このうち13組でターゲットが共通していることを,さらに11組では10ミリモル以下の低用量で同じ作用をもつことを明らかにした。
薬の分子的な相互作用に関する情報として,副作用の類似性を利用するのは有効であることが示された。市販薬の新しい使い道がわかるかもしれない,と博士らはのべている。

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