コカインの依存症になると,長い間コカインを摂取せずにいても,依存症が再発することがある。
この再発は,コカインを連想させる合図がきっかけになる。 アメリカ,ロザリンドフランクリン医科大学のコンラッド博士らは,ラットは,人と同様にコカインを絶ってから時間がたつほどコカインを求めることを確かめ,実験を行った。
コカインを求める行動は,グルタミン酸分泌が活性化することで,側座核におけるαアミノ-3ヒドロキシ-5メチル-4イソキサゾールプロピオン酸(AMPA)レセプターを興奮させることが必要であるという。
このAMPAレセプターは,グルタミン酸レセプター(GluR)1,2,3を発現する。
博士らは,長いコカイン禁止の間,GluR2を発現しないAMPAレセプターが側座核でふえることを発見した。そこで,このレセプターを阻害する薬剤を投与すると,コカインを求める行動が弱まったという。
このレセプターは,コカイン依存症治療の新しい標的になるかもしれない,と博士らはのべている。
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