メディカルニュース
乳児突然死の原因究明へ
Science
神経伝達物質のバランスがくずれることが,突然死を引きおこすようだ。

乳児突然死症候群(SIDS)は,先進国における乳児の主な死因である。患者の脳幹にある「セロトニンニューロン」に異常があることがわかっている。
セロトニンニューロンは,神経伝達物質「セロトニン」をつくる神経細胞である。しかし,その異常がどのように突然死をおこすのかについてはよくわかっていなかった。
イタリア,ヨーロッパ分子生物学研究所のアウデロ博士らは,遺伝子操作によって,セロトニンニューロンのはたらきがおさえられたマウスをつくった。
すると,このマウスの73%は,限られた発育期間中に突発性の心拍数低下と低体温がおきた。そのうち37%は回復せず死に至った。通常,低体温になると,熱を発生させるタンパク質が活発になるが,このマウスでは活発にならなかった。
博士らは,セロトニンニューロンのはたらきがおさえられ,体内のセロトニンのバランスがくずれることが,SIDS発症につながるのかもしれない,とのべている。

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