メディカルニュース
かくれた共通点を発見
Science
強迫性障害の患者とその親族の脳に,共通する機能障害が見つかった。

強迫性障害(OCD)は,くりかえし襲ってくる不安な考え(強迫観念)と,それを打ち消そうとするくりかえしの行動(強迫行動)を特徴とする神経症である。
OCDは患者の親族が発症する確率が高く,一親等の親族では通常の8倍以上である。ところが,何が発症する確率を高めているのかは明らかになっていなかった。
  イギリス,ケンブリッジ大学のチャンベルライン博士らは,OCD患者とOCDを発症していない親族に,簡単な学習実験を行い,脳の活性を調べた。すると,患者とその親族では,数か所の部位で脳の活性が異常に低下していることがわかった。その中に「眼窩前頭葉皮質(OFC)」の外側部分も含まれていた。
OFCは,学習にもとづいて臨機応変に行動をかえるとき,重要な役割を果たすとされる部位である。
博士らは,脳の活性をはかることで,OCDを発症しやすい体質かどうかを判断できるかもしれない,とのべている。

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