メディカルニュース
かさは減っても数は減らず
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子供のころに決まった脂肪細胞の数は,簡単にはかわらないようだ。

肥満は,心臓の病気やメタボリック症候群の危険性を高めるため,世界中で問題となっている。
成人の体脂肪量を決める要因として,一つ一つの脂肪細胞に含まれる脂質の量が重要だと考えられているが,くわしいことは明らかになっていなかった。
スウェーデン,カロリンスカ研究所のスパルディング博士らは,数百人におよぶ調査の結果,脂肪細胞の数こそが成人の体脂肪量を決める主な要因であることを明らかにした。
子供のころに決まった脂肪細胞の数は,成人になってからは変化せず,たとえやせても脂肪細胞の体積が減るだけだという。また,成人では,1年間で全脂肪細胞の約10%が新しく入れかわっていることもわかった。太っている人は,その数を一定に保つため,やせている人よりも多く,新しい脂肪細胞をつくっていた。
この脂肪細胞の入れかわりを利用して,肥満の新しい治療薬が開発できるかもしれない,と博士らはのべている。

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