アミラーゼの値が上がった場合には膵炎を疑う
唾液腺のアミラーゼが上がるものに、シェーグレン症候群という自己免疫疾患がありますが、めずらしい疾患です。唾液腺や唾液の排泄管に唾液中の石灰分が沈着して結石ができる唾石症などでも上がります。しかし、アミラーゼの値が上がる主な疾患は膵炎です。みぞおちや左上腹部あるいは腰背部の痛み、吐き気などの症状があり、しかもアミラーゼの値が上がっている場合には、膵炎だと思ってよいでしょう。
膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があります。急性膵炎では、一般にはげしい腹痛などの強い症状をともないます。膵炎の主な原因は、アルコールの多飲と胆石だと考えられています。胆石で胆道がつまると、胆汁や膵液が逆流するために、膵臓自身が消化されて膵炎になると考えられています。
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