直視下剥離法の技術的特徴・2



アポクリン腺は腺体と腺根からなります。腺体の一部はやわらかいので機械で吸引できる場合がありますが、腺根は硬い真皮層に入り込んでいるため、鋭利なハサミによって剥離しなければ完全に摘出できません。腺根が一部でも残ると、将来アポクリン腺が再生再発します。腺根を含んだ真皮層を均等に削除する剥離法であれば、同時にエクリン腺の一部まで削除でき、減汗効果をいっそう高めることができます(多汗の程度が大きい患者さんの場合は、真皮層を厚めに削除し、削除する面積も少し大きくします)。剥離法の長所はこれだけではありません。剥離時に皮脂腺も自然に浮き上がってくるため、そのすべてを摘出することも可能です。皮下の血管網は脂肪層に多いのですが、剥離してから摘出を行えば、出血も最小限に抑えられます。たとえ出血しても、出血点がはっきり確認できるため、止血がスムーズにできます。術後の血腫形成の心配がないため、入院して血腫ができているか確かめる必要もありません。

五味式超強湾クーパーで摘出する
▲五味式超強湾クーパーで摘出する
皮脂腺も一部摘出する。
▲皮脂腺も一部摘出する。
反対側も同じ手順で剥離する。
▲反対側も同じ手順で剥離する。


このウインドウを閉じる