網膜震盪



頭部を打撲して、脳の血管が痙攣を起こし、一時的に意識がなくなるのを脳震盪と言います。網膜も脳と同様な神経組織で、血液を非常に大切にしている組織です。眼球を打撲すると網膜血管が痙攣を起こし、その領域の網膜血流に異常が生じると、網膜神経線維層の浮腫が起こり、眼底が白く混濁します。これを網膜震盪と云います。網膜震盪の多くは、自然に回復しますが、まれに、網膜出血を伴なったり、網膜裂孔や網膜萎縮を来たすこともあります。網膜震盪を起こす眼球打撲としては、野球、テニス、サッカーなどのボールの場合が多く、他に、喧嘩や転倒によるものなどがあります。網膜震盪は眼底の周辺部で生じる場合が多いですが、中心部に起こると視力に影響する場合があります。眼底の中心部に生じて、眼底の中心が赤く、その周りが白く混濁しているものを外傷性桜実紅斑(Berlin混濁)と呼んでいます。

眼球打撲による黄斑部混濁(ベルリン混濁)
▲眼球打撲による黄斑部混濁(ベルリン混濁)
エアガンによる眼障害が増えています
▲エアガンによる眼障害が増えています


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